香典

仏式の場合

葬儀時から満中陰までは上段中央に「御霊前」とそれ以降は「御仏前」と書きます。
ただし、亡くなると同時に仏になる浄土真宗の場合は満中陰前、葬儀から「御仏前」と書きます。
又、上記他には「御香典」や「御香料」等があります。

神式の場合

銀の水引(無ければ黒白でも構いません)を使います。表書きは「御玉串料」と書きます。「御神前」または「御榊料」と書くこともあります。
蓮の柄がついた香典袋を時々見かけますが、神式には使えません。

キリスト教の場合

水引は無くても構いません。表書きは「献花料」や「御花料」と書きます。

■住所・氏名・金額について
中袋には喪家が香典の整理をする際に重要な資料になりますので、住所・氏名・金額をはっきり書きましょう。
グループで包む場合は半紙などにメンバー全員の名前を書き中へ入れます。
表書きは「○○会有志」とか「○○会社営業部一同」のようにグループ名称のみ書きます。

■香典を郵送する場合
通夜・告別式とも出席出来ないときには現金書留で香典を郵送します。
この場合まず、現金を香典袋に入れてから現金書留の封筒に入れます。
その際には出席出来ない理由と、故人を偲ぶ手紙を添えると心がこもるでしょう。

■香典の備え方
香典を霊前に直接供えるときは、自分の方から読めるよう(霊前に対して逆向き)に供えます。
受付で渡す場合は、相手から読めるように渡します。

服装

お通夜の服装

通夜の服装は、男性は黒の略礼服が多くなりました。
また黒っぽいスーツを着ている人も見かけます。これは通夜は急いで駆けつけるという意味もあって失礼にはなりません。
女性は黒っぽいワンピースかツーピース。和装なら紋つき羽織を着けています。

葬儀・告別式の服装

遺族や近親者、世話役代表は、正式の喪服を着用。その他の一般弔問客は略式の喪服でよいでしょう。
略式の揚合、男性はダークスーツに黒ネクタイ、黒の靴下。女性の場合、黒のワンピースかツーピース、和装なら黒の一つ紋の着物、帯やハンドバックなども黒の物を用います。
アクセサリーはつけませんが、真珠ならかまいません。
喪章は、世話役などで喪家側の人間としてお手伝いする場合にはつけますが、一般の会葬者は着けません。

学生、子どもの服装

学生は、男女ともに制服が喪服となります。なければ黒または地味な服装(グレーなど)に、腕章を右腕に巻くか胸に喪章かリボンをつけます。靴は黒、靴下も 黒か白いものを使用します。また真夏には、男子なら白のシャツに黒ズボンと黒靴、女子なら白のブラウスに黒のスカート、黒靴がよいでしょう。

通夜

通夜の弔問

通夜とは、その字の通り夜通し遺体と共に過ごすことです。現在では夜通し遺体を守るのは近親者に限られます。
本来、通夜は正式な儀式ではなく、身近な親しいの集まりなので厳密なしきたりといったものはありませんが、席順は血縁の近い人から祭壇のそばの近くに着くのが普通です。

通夜ぶるまいなどを喪主から勧められた場合には、一口でも箸をつけるのが礼儀です。
このときに注意したいのが喪主の家族は看病疲れや、葬儀の準備で忙しいので、早めに切り上げましょう。

遺体との対面を進められた時には・・・

遺族から勧められない限り対面は控えるのが礼儀です。
対面の作法は、まず遺体の枕元から少し下がって正座します。
一礼の後、遺族が顔の白布を外したら膝をつけたまま近づきます。
対面の後、もう一度一礼して合掌します。そして遺族にも一礼します。
逆に、対面してくださいといわれたけど、気が進まないときには、「あまりにも悲しくて、よくお顔を見られませんので」などと、やんわり断りましょう。

お悔やみの言葉

お悔やみは平凡な言葉で構いません

お悔やみの言葉は、平凡なもののほうが良いでしょう。
余計な事を言うと、かえって差し障りができてしまう事も考えられますので、短く済ませましょう。
また、「なお・また・再び」のような忌み言葉と、「度々・重ね重ね」等の重ね言葉は避けましょう。

また遺族に「がんばってください」と声をかける人がいますが、
すでに葬儀まで精一杯がんばってきている遺族に、神経を逆なでするような、思いやりのない言葉と受け取られるかもしれませんので控えましょう。
あえて何も言わないのも、心配りの一つかもしれません。

死因はあえてきかない

故人の死因は、弔問者側から聞かないのがマナーです。
遺族にしても「もう、そろそろ」と覚悟していた場合は、ある程度の心の準備はできているでしょう。
しかし、自殺や事故で、本来は亡くなるはずのなかった人を亡くした場合は、やりきれない思いで心は相当乱れているはずです。
また、病名を人に知られたくないという事情が絡んでいることもあります。
遺族が死因にふれない時は、弔問者もさりげない態度でのぞみましょう。

弔辞

弔辞の心得

依頼を受けたら、辞退せずに快く引き受けるのが礼儀です。なぜなら喪家の人は、故人が信頼を寄せた大事な人だからこそ依頼しているからです。弔辞には特に何を話すというかなどという決まりは一切無く、心のこもった言葉があればそれで十分です。
ただし「死」の言い回しには、生々しい言葉を使わないように注意しましょう。
挨拶の長さは2~4分を目安に個人に語りかけるようにゆっくり読み上げるのが良いでしょう。

弔辞の準備

弔辞は故人に対するお別れの言葉なので、思いを語るだけで十分です。しかし、後で遺族の慰めとして渡す意図も有り、書面に残すことが一般的になっています。
最近では便箋にペンで書く略式も目にするようになりましたが、正式には奉書紙か巻紙に毛筆を使って書きます。墨の色はかなしみを表すために薄墨にします。

弔辞の読み方

名前を呼ばれたら、祭壇の前に進み、導師と喪家に一礼し、遺影の前で再度一礼。
続いて弔辞を書いた紙を目の高さに持っていき、「弔辞」と述べてから少しずつ開きながら読んでいきます。
読み方は、故人に語りかけるような感じで一言一言ゆっくりと述べていきます。感情が走っても最後まできちんと読み上げるのが弔辞。胸が詰まった時には一呼吸置いてから語りだすと良いでしょう。

弔電

仏式の場合

葬儀時から満中陰までは上段中央に「御霊前」とそれ以降は「御仏前」と書きます。
ただし、亡くなると同時に仏になる浄土真宗の場合は満中陰前、葬儀から「御仏前」と書きます。
又、上記他には「御香典」や「御香料」等があります。

焼香

焼香の作法

焼香とは、香をたき、その香気によって霊前を清め、死者の霊を供養することを意味します。各宗派によって作法も変わりますが、
一般の弔問では、以下のように行います。

(座礼の場合)
1、祭壇の前に進んで、座布団の手前で、遺族と僧侶に一礼。
2、座布団に座って、遺影を仰ぎ見てから、しみじみと一礼。
3、香をつまみ、1回または2回、焼香します。
4、焼香後、合掌礼拝。僧侶と家族に一礼し、速やかに退きます。

宗派別焼香作法

真宗大谷派・・・焼香2回、線香を用いる時は祈って供えます。
曹洞宗・・・・・・・焼香は通常2回。線香は1本立てます。
日蓮宗・・・・・・・特に決まりなし。焼香1回、線香1本立てればよいでしょう。
日蓮正宗・・・・・焼香1回、線香は香炉の大きさに合わせて折って灰の上に置きます。
天台宗・・・・・・・焼香3回、線香は3本立てます。
真言宗・・・・・・・焼香3回、線香は3本立てます。
浄土宗・・・・・・・焼香3回、線香は1本を2つに折ります。
臨済宗・・・・・・・焼香1回、線香は1本立てます。
浄土真宗・・・・・焼香1回、線香は1本を2つに折って火にともして、香炉に横に寝かして入れます。

数珠

数珠について

数珠はもともと、お経やお題目をあげるときにその数を数える法具でした。
今ではお経やお題目を唱えたり、仏様を礼拝するときに手にかけてお参りします。
数珠は持ってるだけで功徳があるとされ、普通百八の珠からできています。これは、百八の煩悩を退散・消滅させる功徳があるからだといわれています。
珠の数はこのほかにも、百八の十倍の千八十のものから、六分の一の十八のものまでさまざまあります。

形式については宗派によって若干の違いがありますので求められる時に確認したほうが良いでしょう。又、数珠のかけ方も宗派によって異なります。

合掌

合掌について

合掌は、仏様を尊び、供養する気持ちを表したものです。
一説によれば右手は仏様を表し、左手は私たち凡夫を表すといいます。手を合わせることによって仏様の境地に私たちが近づけるというのです。
いずれにせよ、掌を合わせることによって心が落ち着き、精神が安定するのではないでしょうか。

合掌の仕方は、まず、指と指の間を離さずくっつけて、掌をピッタリ合わせます。
位置としては胸の前に、胸にはつけないで少し前に出します。掌の角度は四十五度くらい。
肘は張らず、脇も力を入れて締める必要はありません。肩の力を抜くようにすればよいでしょう。
合掌にもいくつかの形がありますが、この形がもっとも代表的なものです。